ファンの批判を受けたValveのCEOゲイブ・ニューウェル(Gabe Newell)氏は

Newell)氏は,ルール違反を認めてDestructive Creationsに謝罪のメールを送っており,結局このゲームは「Steam史上初のAOレーティングのゲーム」として販売が続けられている。オンライン販売に関しては販売時に年齢などのチェックも行われているそうだが,筆者が確認する限り,ショップの棚には並ばないようなゲームが,ほかのゲームととくに違いもなく普通に売られている。

ESRBの公式サイトにあるAOレーティングの指定を受けたソフトの一部。デジタルダウンロードが一般化した現代,成人指定だからといって販売に何か問題があるわけではない
Access Accepted第473回:過激なゲーム表現に寛容になってきた北米ゲーム市場  この件についてValveは「(Steamは)ゲーム開発者がゲームを売るためのツールであり,コンテンツを規制することはしない」というスタンスを明らかにし,今後,検閲のようなことは行わないと確約している。これが契機となり,今度はSteamで初のアダルトゲームとなる日本の「屋上の百合霊さん」(英題: 「Kindred Spirits」)が2016年に発売される予定だ。

ウェブマネー 販売

 このように,昔とは比べものにならないほど寛容になった北米のゲーム表現は,YouTubeやTwitchなどを利用したゲーム実況が一般的になることで,また新しい問題を生み出しつつある。動画投稿サイトではすでに,ESRBがAOレーティングに指定したゲームの実況を禁止するといった対応を取っており,今のところ大きな問題にはなっていない。しかし,話題性の高いAOレーティングのタイトルが出てくることで,審査のありかたが再び議論になる可能性は十分にありそうだ。今後の動向に注視していきたいと思う。